【亜州ビジネス編集部】
工業省工業経済事務局(OIE)の5月31日発表によると、2023年4月の鉱工業生産指数(MPI、16年=100)は83.5となり、前年同月比で8.1%低下した。前年同月を下回るのは7カ月連続。連休で稼働日が少なかったこともあり、指数は20年7月以降で最低となった。輸出の落ち込みが続く中、電子や化学などが低調に推移している。また、自動車が11カ月ぶりのマイナスに転落した。季節調整済み前月比では3.3%の低下だった。
主要10品目のうち石油製品(1.9%上昇)を除く9品目が前年同月比でマイナス。自動車(2.5%低下)は半導体不足の改善を背景に乗用車(13.8%増)が2桁増を維持する一方、販売減が続く1トンピックアップトラック(8.3%低下)が2カ月ぶりの前年割れとなった。
ほか、電子(16.3%低下)は16カ月連続のマイナス。主力のハードディスク駆動装置(HDD、44.9%低下)の落ち込みが大きく、プリント基板アセンブリー(PCBA、10.1%低下)も2桁のマイナスだった。一方、集積回路(IC、0.9%上昇)は小幅ながらプラスを維持した。ほか、化学(9.2%低下)は化学肥料やプラスチック粒の不振が続いており、ベースメタル(23.4%低下)では鋼板と条鋼が3割近く低下。食品(5.8%)はタピオカ粉や飼料などの落ち込みで2カ月連続の前年割れとなった。
同時に発表された4月の製造業設備稼働率は53.8%と、前年同月から4.7ポイント低下。大型連休があったことで前月比では12.7ポイントの低下となった。うち自動車の稼働率は55.6%で、前年同月比で1.8ポイント低下、前月比で30.0ポイント低下。20年7月以来の低水準となった。