【タイ】5月の物価上昇0.5%に減速、燃料・電力が値下がり

【亜州ビジネス編集部】

商務省が6日発表した2023年5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で0.5%となり、前月(2.7%)を下回った。5カ月連続で鈍化し、22年9月以降で最低の伸びを記録。原油価格の下落などを背景に車両用燃料(マイナス11.3%)が2桁のマイナスとなったほか、政府の価格抑制策で電力(マイナス7.9%)も前年を割り込んだ。また、食品の伸び鈍化が続いている。

全8分野のうち車両用燃料を含む運輸・通信(マイナス4.6%)と電力を含む住居(マイナス0.7%)の2分野がマイナスだった。食品・非アルコール飲料(4.0%)は前月(4.5%)を下回り、1年4カ月ぶりの低水準。食品ではコメや果物の伸びが減速し、肉類や油脂はマイナスだった。一方、生鮮野菜は23.5%と大きく上昇。タマネギやナスが値上がりした。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数の上昇率は1.6%で、前月(1.7%)から低下した。

1〜5月のCPIは前年同期比で3.0%上昇。同省は今後も伸び減速が続くと予測し、燃料の値下がりでマイナスに転じる可能性もあると指摘した。一方、調理ガス価格や労賃の上昇などが物価の上昇圧力になり得るとしている。23年の年間のCPI上昇率は1.7〜2.7%と予測し、前月から据え置いた。


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