【亜州ビジネス編集部】
タイ国トヨタ自動車(TMT)の23日発表によると、2023年5月の国内新車販売台数は前年同月比0.5%増の6万5088台だった。前年同月を上回るのは7カ月連続。半導体不足が改善する中で乗用車が29.4%増と大きく伸び、全体をけん引した。一方、1トンピックアップトラックは2割前後の落ち込みが続いている。
メーカー別の販売台数は、首位トヨタが4.0%減、2位いすゞが15.6%減など、ホンダを除く日系各社で前年を割り込んだ。日本メーカーの合計では10.4%減少。日系のシェアは75.8%と、前月の80.4%から低下した。上位10社の内訳を見ると、日系が5社、中国系が4社、米系が1社となり、中国勢が存在感を増している。
車種別の販売は、乗用車が29.4%増の2万5985台、商用車に含まれるスポーツ多目的車(SUV)が21.4%増の8411台、1トンピックが19.2%減の2万7323台などだった。
TMTは5月の販売について、人の移動が増えたことで小型低公害車「エコカー」を中心に乗用車の需要が増えたと説明。一方、新政権の発足を前に、今後の経済政策の動向を見極めたい企業や個人の買い控えがあったと指摘した。タイ工業連盟(FTI)は、自動車ローンの与信厳格化を1トンピックの販売減の要因に挙げている。
1〜5月の販売台数は前年同期比4.9%減の27万6603台。乗用車が6.4%増とプラスだったものの、1トンピックは18.2%減と落ち込んだ。