【亜州ビジネス編集部】
国会は、景気下支えに向け、7月から年末まで一部品目を除き付加価値税(VAT)を2%減税する政府案を承認した。通常10%の税率を8%に引き下げる。不動産や電気通信、金融、証券、鉱物・金属、石油製品、化学製品などは適用外になる。VNエクスプレスが24日付で伝えた。
ポストコロナの経済回復を支える目的で昨年もVATの2%減税を実施しており、今年もこれを行う方向でさまざまな議論が行われた。その中で全品目を減税対象とする案や、2024年末まで3〜5%減税する案などさまざま出たが、財政収支との兼ね合いから一部品目を今年末まで2%に下げることで決着した。なお国会常務委員会は、今回の措置により半年で税収が10億2000万米ドル相当減少するとみている。
ベトナムの国内総生産(GDP)成長率は22年に8.02%と、20〜21%の2%台から大きく加速したが、23年第1四半期は前年同期比3.32%に減速。物価高に伴う世界的な景気後退で輸出受注が減り、とりわけ製造業が停滞したためで、新車販売は1〜5月に、スマートフォンは第1四半期に前年同期比でそれぞれ半減するなど、冷え込みが顕著となっている。