【亜州ビジネス編集部】
商務省の27日発表によると、2023年5月の輸出額は前年同月比4.6％減の243億4090万米ドルだった。前年同月を下回るのは8カ月連続。主要輸出先の景気減速などで落ち込みが続いている。ただ、全体の8割を占める主要工業製品は8カ月ぶりのプラスに転じた。自動車や電気・電子製品などがけん引した。輸入額は3.4％減の261億902万米ドルと、3カ月連続の前年割れ。貿易収支は18億4930万米ドルの赤字だった。
輸出は2割弱を占める農産物・加工品が16.3％減と落ち込んだものの、主要工業製品が1.5％増加。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は2.1％減だった。
工業製品の輸出では、車両・部品が7.2％増と3カ月ぶりのプラス。前年同月に半導体不足で低調だった反動もあり、乗用車、商用車、バイクがそろって拡大した。電子製品は3カ月連続のプラス。半導体が1.9倍に増えて全体を押し上げた。電気製品はエアコンなどが伸びた。
一方、プラスチックや化学品は前年割れが続いている。ほか、農産物・食品では果物・加工品が半減したほか、ゴムとキャッサバが前月に続く4割減となった。
国別の輸出額は、全体の2割弱を占め最大の米国向けが4.2％増と拡大したものの、2番目に大きい中国向けが24.0％減、3番目の日本向けが1.8％減だった。米国向けは半導体やテレビがけん引。一方で中国向けは果物・加工品やプラスチック粒が振るわなかった。日本向けは鉄・鉄鋼製品や銅・銅製品、電気製品が落ち込んだ。
輸入額は消費財や原材料・半製品がマイナス。原材料・半製品では鉄鋼や銅、アルミニウムが引き続き2桁減だった。一方、自動車や産業機械・部品は大きく拡大した。
1〜5月の累計は、輸出額が前年同期比5.1％減の1163億4420万米ドル、輸入額が2.5％減の1227億950万米ドル、貿易収支が63億6530万米ドルの赤字だった。
