【亜州ビジネス編集部】
盤谷日本人商工会議所(JCC)が27日発表した「日系企業景気動向調査」によると、2023年下半期の業況感指数(DI)の見通しは26だった。23年上半期見通しのマイナス3からプラスに転じる。観光客の増加や輸出需要の回復への期待の高まりが指数を押し上げる要因となった。
調査はJCC会員企業を対象として半年ごとに実施。景況や財務状況などについて質問するもので、1971年から続いている。今回は23年5月9日〜3月2日に実施し、512社から回答を得た(回答率は31%)。DIは前期に比べ業況が「上向いた・上向く」と回答した企業の割合から「悪化した・悪化する」と回答した企業の割合を差し引いた値。
DIは20年上半期に新型コロナの影響で過去3番目のマイナス幅を記録した後、回復傾向にあった。ただ、23年上半期の見通しは、6四半期ぶりのマイナス圏に転落。世界的なインフレや金融引き締めによる輸出の落ち込みなどが響いた。
23年下半期のDIは、製造業が26、非製造業が25。全14業種のうち運輸・通信を除く13業種がプラスとなり、製造業では食品や鉄鋼・非鉄、輸送用機器、非製造業では小売りや建設・土木が高い。
「投資増」を見込む、30%に
設備投資に関する質問では、23年度に「投資増」を見込む企業が30%に上った。一方、「投資減」を見込む企業は13%、「横ばい」は41%だった。製造業に限ると、投資増が40%、投資減が18%、横ばいが36%だった。
今後の有望輸出市場(複数回答)は「ベトナム」が46%で首位となり、これに「インド」(40%)、「インドネシア」(31%)、「日本」(18%)が続いた。
経営上の問題点(複数回答)は、「他社との競争激化」が63%で最も多く、これに「原材料価格の上昇」(15%)、「総人件費の上昇」(45%)、「為替変動の対応」(31%)が続いた。製造業の最多は「原材料価格の上昇」(80%)、サービス業は「他社との競争激化」(65%)だった。