【シンガポール】6月の物価上昇率4.5%に減速、年間予測を引き下げ

【亜州ビジネス編集部】

シンガポール統計局が24日発表した2023年6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で4.5%だった。前月を0.6ポイント下り、22年2月以来、1年4カ月ぶりの低水準となる。伸び鈍化は2カ月連続。ガソリン(マイナス17.4%)の落ち込みが加速したほか、食品(5.9%)の伸びが縮小した。シンガポール金融管理局(MAS)と貿易産業省は今回の結果を受け、年間予測を4.5~5.5%に下方修正した。

6月の民間道路輸送(5.8%)と住居(4.5%)を除くコア指数の上昇率は、前月を0.5ポイント下回る4.2%。民間道路輸送は2年4カ月ぶりの低水準となった。うち自動車(11.7%)は2桁上昇が続くものの、足元で減速傾向にある。一方、バイク(4.8%)は2カ月ぶりのプラスだった。食品の伸びは4カ月連続で鈍化。コメやパン、肉類、油脂など幅広い品目で上昇幅が縮小している。

MASと貿易産業省は、輸入インフレが収まり、労賃の上昇ペースも緩和していると指摘。23年のCPI上昇率予測を4.5~5.5%とし、前月時点の5.5~6.5%から1.0ポイント引き下げた。コア指数の予測は3.5~4.5%に据え置いたものの、下半期に減速するとみている。自動車と住居については、供給が増えることで年内には価格が落ち着くとの見方を示した。


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