【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2023年6月の域内6カ国の自動車生産台数は、前年同月比3.7%減の27万2909台だった。前年同月を下回るのは2カ月ぶり。インドネシアで2カ月ぶりのマイナスとなったほか、販売不振のベトナムで大幅な落ち込みが続いている。
インドネシアは7.7%減少。前年同期に2桁増が続いていた反動もあり、足元で失速している。ベトナムは25.8%減と7カ月連続の前年割れ。同国では高金利や景気減速で新車販売の落ち込みが続く。ほか、3月に減免税措置が終了したマレーシアも生産販売がそろってマイナスだった。
タイの生産台数は1.8%増
最大生産国のタイの生産台数は1.8%増と、輸出の伸びに支えられてプラスを確保。ただ、自動車ローンの与信厳格化などを背景に国内販売が低調に推移しており、タイ工業連盟(FTI)は年間の生産台数目標を5万台引き下げて190万台(前年比0.9%増)に下方修正した。中国から電気自動車(EV)の輸入が増えていることも生産を押し下げる要因になるという。
一方、フィリピンは生産販売とも好調を維持している。国内消費が回復する中、6月の生産台数は5.9%増と11カ月連続のプラス。販売台数は27.0%増で、16カ月連続の2桁増となった。
1〜6月の6カ国の生産台数は前年同期比5.2%増の211万7365台。新型コロナウイルス流行前の19年1〜6月(208万3533台)を小幅に上回ったが、年初に比べると減速傾向にある。1〜6月の東南アジア7カ国の販売台数は1.2%増の163万7226台で、19年1〜6月(169万4569台)を下回った。
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