【亜州ビジネス編集部】
運輸省は、燃料電池車(FCV)の普及拡大に向けた新たな奨励策案をチャン・ホン・ハ副首相に提出した。電気自動車(EV)に適用している奨励策の対象を広げる格好で、減税などを検討する。ベトナムプラスが2日付で伝えた。
現在の優遇策では、EVに対して販売時の特別消費税(SCT)を減税し、また自動車登録料を免除している。同省は今回、FCVのほか太陽電池を使うソーラーカーにも優遇措置を適用するよう提案した。
また、奨励策の対象となるEV・FCVやEV用電池のメーカーに対して投資優遇も付与するよう提案。また設備やノックダウン(CKD)キット、電池、部品を輸入する際の関税を減免するよう促している。
同省は、関連業者からの奨励策に対する要望は他にも多いと指摘。メーカーからは、◆2027年2月末に終わるSCT減税の5年延長 ◆自動車登録料を22年5月から3年間免除・その後2年間半減する措置を、5年間免除・その後5年間半減に変更 ◆EV購入者に1台当たり1000米ドル相当の補助金支給――が求められているとした。
国内のEV登録台数は18〜21年にわずか167台だったが、23年7月までに1万2600台近くに増加。大半は乗用車と電気バスとなっている。
国内では国産ブランド車メーカーのビンファストがEVを生産。ほかにも地場TMTモーターズが中国・上汽通用五菱汽車の「宏光ミニEV」、韓国・現代自動車の現地合弁会社である現代タインコンが「アイオニック5」を組立生産している。充電所はビンファストが率先して整備を急いでおり、昨年10月時点で63省市にEVと電気バイクが使用できる15万個の充電コネクターを設けている。