【亜州ビジネス編集部】
不動産開発のオール・インスパイア・デベロップメントは、社債24億1600万バーツと商業銀行のキアットナキン・パタラ銀行からの借入金2億6400万バーツが債務不履行になったと発表した。同社はコンドミニアム(分譲マンション)開発を手掛け、JR九州とも合弁を組む。新型コロナウイルスの影響で販売が目標に届かず、資金不足に陥り、複数の事業の建設を中断した。今後は所有地の売却などで債務返済のための資金調達を図る。
オールはバンコク首都圏で「エクセル」「ライズ」「インプレッション」といったブランドのコンドミニアムを展開する。販売不振で2021年から23年3月までに約22億バーツの累積赤字を出した。23年3月末時点で負債総額は約55億バーツに上る。
18年には、同社が51%、フージャースホールディングス(本社:東京都千代田区)が29%、JR九州が20%出資して合弁会社を設立。バンコク都内のエカマイ地区で高級コンドミニアム「インプレッション・エカマイ」の開発に乗り出した。4400平方メートルの敷地に43階建てと25階建てのコンドミニアム計2棟(計380戸)を建設する事業で、現在は新築物件として販売されている。