【亜州ビジネス編集部】
国家経済社会開発委員会(NESDC)が21日発表した2023年第2四半期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比で1.8%増だった。外需の低迷を背景に物品輸出が落ち込んだことを受け、前四半期の2.6%増から減速。同委員会は23年のGDP成長率予測を2.5〜3.0%に下方修正した。
物品輸出(5.7%減)が3四半期連続のマイナス成長となり、物品とサービスを合わせた輸出(0.7%増)は前四半期から伸びが鈍化した。輸出の不振に伴って製造業の設備稼働率が低調に推移しており、民間投資(1.0%増)も減速している。
一方、外国人観光客の増加でサービス輸出(54.6%増)は引き続き大幅増だった。また、GDPの6割近くを占める個人消費(7.8%増)は2四半期連続で伸びが加速。観光関連の雇用や収入が改善したほか、インフレの緩和も消費を押し上げる要因となった。
GDPを生産面から見ると、製造業(3.3%減)は3四半期連続のマイナスを記録。輸出指向型産業を中心に幅広い業種で落ち込んだ。一方、サービス業(4.1%増)は全ての分野でプラス成長となり、観光業の回復で宿泊・食品サービス(15.0%増)や運輸・倉庫(7.5%増)の伸びが高かった。
同委員会は今後も物品輸出の苦戦が続くとみており、23年の年間のGDP成長率を2.5〜3.0%に下方修正。3カ月前の前回予測の2.7〜3.7から引き下げた。物品輸出の予測をマイナス1.8%に下方修正したほか、新政権の発足が遅れる中で政府支出と政府投資も予測を引き下げている。一方、観光業が好調なことから、個人消費の予測はプラス5.0%に上方修正した。