【亜州ビジネス編集部】
東レは22日、非可食バイオマスから繊維・樹脂・フィルムの原料を生産・供給する事業を本格始動させると発表した。東北部ウドンタニ県の拠点でサトウキビやキャッサバの絞りかすから「非可食糖」を生産する設備を増設し、早期事業化を目指す。食糧問題の回避や温暖化ガスの排出削減に貢献する。
DM三井製糖と合弁の現地法人、セルロシック・バイオマス・テクノロジー(CBT)が実施する12億円の増資を引き受け、出資比率を以前の67.0%から84.4%に引き上げた。増資を契機として、キャッサバの絞りかす「キャッサバパルプ」を原料とした非可食糖の製造設備を導入。また、バイオマス燃料を利用できるボイラーの設置や、排水処理の能力増強も行い、コストダウンを図る。
キャッサバパルプ由来の非可食糖の生産能力は1日5トン。他にサトウキビの絞りかす「バガス」用の設備を設置済みで、生産能力は3トンに上る。分離膜を用いた省エネ型の技術を使用している。生産する非可食糖は東レグループで使用するほか、既に可食糖から化学品を製造している化学企業にも供給する