【亜州ビジネス編集部】
商務省が5日発表した2023年8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で0.9%だった。
低い伸びが続いているものの、前月(0.4%)からは小幅に拡大。足元の原油価格上昇を受けて車両用燃料(0.2%)が6カ月ぶりのプラスに転じ、指数を押し上げた。ただ、食品など多くの品目で伸びが鈍化傾向にあり、振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数の上昇率は0.8%に減速。前月(0.9%)を0.1ポイント下回り、1年7カ月ぶりの低水準となった。
分野別では食品・非アルコール飲料(0.7%)が前月(1.5%)から低下し、21年11月以来の低水準を記録。生鮮食品(0.0%)の伸び鈍化が続いており、生鮮肉(マイナス18.1%)の落ち込みが加速したほか、生鮮野菜(1.5%)や生鮮果物(9.2%)が前月を下回った。食品以外では、医療(1.2%)なども前月から伸びが縮小した。
CPIは2.0%上昇
1〜8月のCPIは前年同期比で2.0%上昇した。同省は7月初めに年間のCPI上昇率予測を下方修正し、1.0〜2.0%としている。9月については、6〜8月と同様に小幅なプラスになると予測。労賃や燃料価格の上昇、各国の農業生産の落ち込みなどが物価を押し上げる要因になるとの見方を示した。一方、セター新政権が燃料価格を抑制する方針を打ち出しており、実現すればインフレが抑えられることになると指摘した。