【亜州ビジネス編集部】
中国が政府機関や国有企業の従業員に対しスマートフォン「iPhoneシリーズ」の利用禁止を求めたとこのほど伝えられたが、その対象がノートパソコン(ノートPC)などアップルの別製品にも拡大しているようだ。8日付英フィナンシャル・タイムズ(FT)などが報じた。
中国核工業集団有限公司(中核集団)のある従業員はFTに対し、「スマホであれノートPCであれ、いかなるアップル製品もオフィス棟に持ち込んではならないと8月に管理職者から告げられた」と語った。
同従業員はまた、国営企業の中国電信(チャイナ・テレコム)の販売員が8月末に、国内ブランドスマホの販売のために中核集団を訪れたことも明らかにした。その際、セキュリティの抜け穴を通じ、米国の情報機関はアップルのデバイスを制御できるという話を聞かされたという。
内モンゴル自治区の国営病院の看護師は、現地政府が8月末に、iOSには巨大なセキュリティリスクがあるとして病院スタッフにiPhone使用禁止を通達したと説明した。この他、iPhoneやMacを含むアップル製品の使用禁止を求められたと証言する政府機関や国営企業の従業員は少なくない。
米シンクタンク、ジェームズタウン財団の上級研究員、ウィリー・ラム(林和立)氏はアップル製品禁止令について、「政府最上層部からの指示に違いない」と語る。「中国のアップル従業員に影響を与える恐れがある大きな決定で、ハイテク分野で対中規制する米国政府と中国にビジネス上の権益を持つ多国籍企業に対してメッセージを送る意図があると説明した。