【亜州ビジネス編集部】
中国電気自動車(EV)最大手の比亜迪汽車(BYD)は、東部ラヨーン県で建設を進めている乗用車工場の最初の生産モデルがEVの小型車「ドルフィン(海豚)」になることを明らかにした。タイで販売中の2モデルのうち、もう1つのモデルよりも売れ行きが良いという。来年6月にも生産を開始する。19日付プラチャーチャート・トゥラキットなどが伝えた。
現地法人BYD(タイランド)の幹部が明らかにした。BYDは昨年11月に小型スポーツ多目的車(SUV)「ATTO3(元プラス)」を発売してタイ市場に参入し、ドルフィンは今年7月に正式な販売を開始した。ドルフィンの最低価格は69万9999バーツとし、ATTO3よりも4割ほど安く抑えている。
現地代理店の地場レバー・オートモーティブによると、両モデル合計でこれまで2万台を販売した。2023年末までに4万台を超えると見込む。ただ、目標に掲げる5万台の達成は不透明な状況という。
工場は今年3月にWHAラヨン36工業団地で着工した。年産能力は15万台。BYDにとって海外初の乗用車工場となり、右ハンドル車の輸出拠点として東南アジアや欧州に車両を供給する。投資額は179億バーツ(約730億円)。昨年に投資委員会(BOI)から投資認可を得た。