【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2023年8月の域内6カ国の自動車生産台数は、前年同月比10.0%減の36万4688台だった。前年同月を下回るのは2カ月ぶり。販売低迷が続くタイなどの4カ国で前年割れとなった。
タイの生産台数は12.3%減少
最大生産国のタイの生産台数は12.3%減少。生産の6割を占める1トンピックアップトラックの国内販売が自動車ローンの与信厳格化などで低調に推移している。輸入の電気自動車(EV)の増加も生産減の一因となっており、8月は国内市場でEV比率が1割に達した。一方、完成車の輸出台数は2桁増で推移している。
域内2位のインドネシアの生産台数も2桁のマイナス。国内販売が2カ月連続で前年割れとなったほか、前年同期に大きく伸びていた反動もあった。ベトナムは景気減速で生産販売とも大幅減が続いている。
一方、フィリピンは生産が21.0%増、販売が21.6%増と引き続き好調。販売は18カ月連続で2桁のプラスとなり、うち乗用車は1万94台(49.9%増)と、18年3月以来、3年5カ月ぶりの高水準だった。
1~8月の6カ国の生産台数は前年同期比3.4%増の284万9888台。新型コロナウイルス流行前の19年1~7月(280万1048台)を上回ったものの、年初に比べるとやや勢いを失っている。1~8月の東南アジア7カ国の販売台数は0.5%増の218万8497台で、19年1~8月(226万8608台)を下回った。