【アセアン】ノートPC生産の東南ア移転不調、現地の経験不足課題

【亜州ビジネス編集部】

ノートパソコン(ノートPC)業界が推進する東南アジアへの生産移転が順調に進行していない。サプライヤーによると、第3四半期からベトナムで量産を計画していた米デルは、ODM(相手先ブランドによる設計・生産)企業の労働者が量産ペースに不慣れなことが原因で、製品の品質が合格水準に達しなかった。このためODMは、この分の生産を全て中国江蘇省昆山市の工場に戻してやり直すことになったという。台湾・電子時報が3日報じた。

ベトナムでの量産は第4四半期に改めて再開する。同国で2023年に計画していた生産量は達成できない見通し。

デルは24年に生産能力の6割を中国以外とする計画を立てたとの観測が出ていたが、現時点で実現は困難とみられる。サプライチェーン(供給網)の関係者は、東南アジアも、中国の重慶市が昆山市など沿海部からノートPCの生産移転を受け入れた際に経験したのと同様の学習曲線を経る必要があるとの見方を示した。

ただ、重慶では補助金でサプライチェーンが整備されたが、東南アジアでは現地政府が補助金を出さず、関連業者は全て自力で推進する必要性に迫られている。


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