【亜州ビジネス編集部】
中国の習近平・国家主席は18日、第3回「一帯一路」国際協力サミットの開会式で基調演説を行い、一帯一路の質向上に向けた「8項目の行動」を明らかにした。その中で、自国の政策性銀行を通じた融資支援など、総額7800億人民元(約16兆円)を拠出する方針を表明。一帯一路関連の各種プロジェクトを積極的に支援していく考えを示した。香港メディアの明報が19日伝えた。
8項目
◆立体的な一帯一路ネットワークの構築
◆開放型世界経済の構築
◆実務的な協力の推進
◆グリーン発展の促進
◆ハイテク・イノベーションの推進
◆民間交流の支援
◆反腐敗の共同推進
◆一帯一路国際協力メカニズムの改善
うち「立体的な一帯一路ネットワーク」では、陸路、海路に加えて「空路シルクロード」の建設を加速させる方針を表明。また、「開放型世界経済」では、「シルクロード電子商取引(Eコマース)協力モデル地区」を創設するほか、製造業分野における外資参入規制の撤廃などを表明した。
このほか、「実務的な協力」の一環として、中国国家開発銀行、中国輸出入銀行が各3500億人民元の人民元建て融資窓口を開設する。また、シルクロード基金に800億人民元の追加出資を行う方針とした。
さらに「ハイテク・イノベーションの推進」では、第1回「一帯一路ハイテク交流大会」を開催する計画を表明。人工知能(AI)の活用についても、共同で秩序ある発展を目指す方針を示した。
今年は習主席が「一帯一路」構想を唱えて10周年を迎える。今回のサミットには、ロシアのプーチン大統領のほか、インドネシアのジョコ大統領、アルゼンチンのフェルナンデス大統領、エチオピアのアビー首相など約20カ国の首脳らが参加した。