【亜州ビジネス編集部】
三菱自動車工業は24日、三菱ブランド車両の中国生産を終了する方針を発表した。足元の経営環境を踏まえた措置。広州汽車集団、三菱商事との合弁会社である広汽三菱汽車有限公司(広汽三菱)を通じた中国事業の構造改革を進める。
三菱自動車と三菱商事がそれぞれ保有する広汽三菱の30%、20%の持ち分を広州汽車に対して各1人民元で譲渡する。広汽三菱は広州汽車の全額出資子会社となる運びだ。既存の生産機能は広州汽車の傘下の新エネルギー自動車(NEV)メーカー、広汽埃安新能源汽車有限公司(広汽埃安:Aion)が継続活用する。なお、アフターサービスについては三菱自動車、三菱商事、広州汽車の3社で協業する形でユーザーに提供する方針。一連の構造改革に伴い、三菱自動車は2024年3月期の連結決算で243億円の特別損失を計上する見込みだ。
中国自動車産業は過去2~3年間で急速な市場変化に直面。電気自動車(EV)シフトが予想を上回るピッチで加速し、消費者のブランドとセグメントの選択にも急速に大きな変化が起こっている。こうした中、三菱自動車は22年12月に新型車を投入するなど現地販売の巻き返しを図ったものの、計画未達が続き、23年3月からは在庫調整のため、工場の稼動停止に追い込まれていた。こうした状況を踏まえて、中国戦略を抜本的に見直し、構造改革の実行に踏み切った形だ。