【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2023年9月の域内6カ国の自動車生産台数は、前年同月比12.4%減の36万9251台だった。前年割れは2カ月連続。販売低迷が続くタイなどの4カ国で引き続き落ち込んだ。
最大生産国のタイの生産台数は8.4%減少。生産の6割を占める1トンピックアップトラックの国内販売が自動車ローンの与信厳格化などで低調に推移している。輸入の電気自動車(EV)の増加も生産減の一因となっており、9月は国内市場でEV比率が11.1%に達した。タイ工業連盟(FTI)は9月の結果を受け、23年通期の生産台数目標を185万台(前年実績比1.8%減)に下方修正した。国内向け生産の目標を5万台引き下げて80万台とし、輸出向け生産は105万台に据え置いた。
域内2位のインドネシアの生産台数は23.8%減と、2カ月連続のマイナス。国内販売が20.1%減、完成車輸出が13.2%減と落ち込んだ。ベトナムは景気減速で生産販売とも大幅減が続く。販売台数は20~22年にフィリピンを上回ったが、足元で逆転されている。
フィリピンは生産が23.0%増、販売が9.5%増と引き続き好調。販売は伸び率が前月までの2桁増から減速したものの、台数が17年12月以来の高水準を記録した。フィリピン自動車工業会(CAMPI)は年間の販売目標を以前の39万5000台から42万3000台に引き上げた。
1~9月の6カ国の生産台数は前年同期比1.4%増の322万2652台。新型コロナウイルス流行前の19年1~9月(315万9483台)を上回ったものの、年初に比べるとやや勢いを失っている。1~9月の東南アジア7カ国の販売台数は0.9%減の246万8087台だった。