【亜州ビジネス編集部】
商務省が6日発表した2023年10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比でマイナス0.3%だった。前年同月を下回るのは21年8月以来、2年2カ月ぶり。政府の価格抑制策で電気料金や軽油価格が抑えられたほか、食品の下落幅が拡大した。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数の上昇率はプラス0.7%で、前月(プラス0.6%)を小幅に上回った。
品目別では、電力(マイナス4.9%)が2カ月連続のマイナスとなったほか、車両用燃料(マイナス0.4%)は3カ月ぶりに前年を割り込んだ。また、公共交通(プラス1.4%)は22年4月以来の低水準となった。食品・非アルコール飲料(マイナス0.7%)は2カ月連続の前年割れ。生鮮肉や生鮮野菜の落ち込みが加速し、前月(マイナス0.1%)から下げ幅を広げた。ただ、洪水の影響で生鮮野菜は前月に比べると値上がりしている。
1~10月のCPIは前年同期比で1.6%上昇した。同省は11月も10月と同様に推移すると予測。年間のCPI上昇率予測は1.0~1.7%とし、前月から据え置いた。一方、物価の上振れ要因として、観光業の回復やコメなど農産物価格の上昇、世界情勢の悪化に伴う原油価格の上昇などを挙げた。