【亜州ビジネス編集部】
国家経済社会開発委員会(NESDC)が20日発表した2023年第3四半期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比で1.5%増だった。外需の低迷を背景に物品輸出が落ち込んだことを受け、前四半期の1.8%増から伸びが鈍化。2四半期連続で減速し、同委員会は23年のGDP成長率予測を2.5%と、従来予測(2.5~3.0%)の下限に設定した。
物品輸出(3.1%減)は4四半期連続のマイナス成長。観光などのサービス輸出(23.1%増)も前四半期からは伸びが縮小し、物品とサービスを合わせた輸出(0.2%増)が低い伸びにとどまった。ほか、新型コロナウイルス関連の支出が減ったことで政府支出(4.9%減)の落ち込みが加速した。
個人消費は伸び加速
一方、雇用の改善などを背景に個人消費(8.1%増)は2四半期連続で伸びが加速。ただ、自動車販売の低迷を受けて耐久消費財の消費(3.2%減)は落ち込んだ。民間投資(3.1%増)は設備投資、建設投資とも前四半期を上回る伸びだった。
GDPを生産面から見ると、製造業(4.0%減)が4四半期連続のマイナスを記録。輸出指向型産業を中心に幅広い業種で前年を割り込んだ。サービス業(3.9%増)は全ての分野でプラス成長となったものの、前四半期(4.0%増)からは小幅に減速した。
同委員会は物品輸出の苦戦を受けて23年の年間のGDP成長率を2.5%に設定した。22年実績(2.6%)を下回るとみている。23年の物品輸出の予測はマイナス2.0%に下方修正。一方、好調な個人消費の予測はプラス7.0%に引き上げた。24年のGDP成長率は2.7~3.7%を見込む。個人消費が減速するものの、輸出の回復に期待できるとしている。