【亜州ビジネス編集部】
インド自動車大手のタタ・モーターズは21日、トラック4モデルの発売を発表した。今年4月にタイの商用車販売代理店に指名した自動車販売の英インチケープが全国13カ所の店舗で販売する。最も小型の1トントラック「スーパーエース」は、最低価格を38万5000バーツに設定した。
タタは2008年にピックアップトラックを発売してタイ市場に進出したものの、販売不振で19年3月までに現地生産を終了し、人員削減や販売店網の縮小などを進めた。インチケープを通じて再び販売事業を拡大する。
今回投入したモデルは、スーパーエースと ◆小型トラック「ウルトラT9」 ◆中型トラック「ウルトラT14」 ◆トラクターヘッド「プリマ5038S」――。スーパーエースは、荷台を改造した旅客輸送用やフードトラック用などのタイプも販売する。現地報道によると、4モデル合計で年1000台の販売を目指し、うちスーパーエースが9割を占めると見込む。
インチケープはタイで、タタ傘下の英ジャガー・ランドローバーの販売も手掛ける。足元で東南アジア事業を拡大しており、今年8月にはフィリピン市場への参入を正式に発表。ジャガーや独メルセデス・ベンツ、米クライスラーなどの高級車を輸入販売する現地同業の事業を引き継いだ。また、インドネシアでは6月に中国・長城汽車(GWM)と電気自動車(EV)などの販売について戦略提携を締結。さらに先月には同国のメルセデス・ベンツ事業を現地企業と共同で買収した。