【亜州ビジネス編集部】
タイ国トヨタ自動車(TMT)の24日発表によると、2023年10月の国内新車販売台数は前年同月比8.8%減の5万8963台だった。前年同月を下回るのは5カ月連続。自動車ローンの与信厳格化などで1トンピックアップが引き続き2桁減だった。
1トンピックの販売は35.1%減の2万2998台で、台数は21年8月以来、2年2カ月ぶりの低水準だった。前年割れは10カ月連続となり、2月以降の9カ月は2桁のマイナスが続いている。一方、乗用車は13.7%増の2万2130台と6カ月連続のプラス。また、商用車に含まれるスポーツ多目的車(SUV)は2.2倍の1万530台と大きく伸びた。中国メーカーの電気自動車(EV)投入が乗用車やSUVの販売を押し上げている。タイ工業連盟(FTI)によると、10月のEV販売台数は7394台となり、新車販売全体に占める割合は12.5%に拡大。前月を1.4ポイント上回った。
メーカー別の販売では、中国系6社(MG、BYD、ナタ汽車、長城汽車、CPフォトン、AION)の合計が8755台となり、シェアは14.8%に上昇。EVを武器に勢力を拡大し、中国勢で最大手のBYDは市場シェアが6.5%に達した。
一方、日系9社のシェアは75.0%と、前年同月の76.6%から低下。首位トヨタの販売台数が18.0%減、1トンピック主体の2位いすゞが22.2%減などと落ち込んだ。SUVが好調なホンダは23.6%増とプラスで推移している。
1~10月の全体の販売台数は前年同期比7.5%減の64万5833台。乗用車が9.9%増える一方、1トンピックは25.7%減だった。TMTは7月、23年の販売予測を前年実績比0.7%増の85万5000台とし、年初時点の90万台から下方修正している。