【タイ】11月の新車販売1割減、中国車は1万台超え

【亜州ビジネス編集部】

タイ国トヨタ自動車(TMT)の21日発表によると、2023年11月の国内新車販売台数は前年同月比9.8%減の6万1621台だった。前年同月を下回るのは6カ月連続。自動車ローンの与信厳格化などで、1トンピックアップの大幅減が続いている。一方、電気自動車(EV)での新規参入が増えている中国車は合計の販売台数が初めて1万台を超え、乗用車市場では中国勢のシェアが30%を上回った。

1トンピックの販売は2万2104台で、21年8月以来、2年3カ月ぶりの低水準。前年割れは11カ月連続となり、2月以降の9カ月は2桁のマイナスが続く。一方、乗用車は21.2%増の2万4567台と7カ月連続のプラス。また、商用車に含まれるスポーツ多目的車(SUV)は42.0%増の1万1220台と好調に推移している。中国メーカーのEV投入が乗用車やSUVの販売を押し上げている。タイ工業連盟(FTI)によると、11月のEV販売台数は8696台となり、新車販売全体に占める割合は14.1%に拡大。前月を1.6ポイント上回った。

メーカー別の販売では、中国系7社(MG、BYD、ナタ汽車、長城汽車、CPフォトン、AION、五菱)の合計が1万440台となり、シェアは16.9%に上昇。EVを武器に勢力を拡大しており、乗用車に限るとシェアは31.9%に達した。BYDが乗用車シェア13.7%で、トヨタ、ホンダに次ぐ3位に入っている。

一方、日系9社のシェアは73.9%と、前年同月の84.0%から低下。首位トヨタの販売台数が11.6%減、1トンピック主体の2位いすゞが37.1%減など、ホンダを除く各メーカーが軒並み2桁のマイナスだった。

1~11月の全体の販売台数は前年同期比7.7%減の70万7454台。乗用車が10.8%増える一方、1トンピックは26.9%減だった。TMTは7月、23年の販売予測を前年実績比0.7%増の85万5000台とし、年初時点の90万台から下方修正している。12月はバンコク近郊で開催された展示販売会「モーターエキスポ」の受注が好調だったため、市場の回復が期待される。


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