【亜州ビジネス編集部】
中国自動車メーカーの長城汽車(GWM)は12日、東部ラヨーン県の工場で電気自動車(EV)の生産ラインを開所した。まず、これまで中国から輸入していた「欧拉(オーラ)」ブランドの小型EV「好猫(グッドキャット)」を現地生産に切り替える。最低価格は79万9000バーツとし、中国製より安く抑えた。今月に納車を開始する。
「プロ」「ウルトラ」と、派生モデル「好猫GT」の3タイプの国産モデルを同日に発売した。販売価格はプロが79万9000バーツ、ウルトラが89万9000バーツ、好猫GTが109万9000バーツ。従来の中国製より約3万~19万バーツの値下げとなった。
好猫は中国からの輸入で2021年11月に発売し、23年10月時点で累計8500台を販売。補助金と減税を柱とするEV振興策の第1期「EV3.0」の適用を受けており、条件として輸入台数に応じた国内生産が義務付けられている。各紙の報道によると、工場では初年度に8000台を生産する。
長城汽車は20年に米ゼネラル・モーターズ(GM)からラヨン県の完成車・エンジン工場を買収。21年から「H6」のハイブリッド車(HV)タイプなど「哈弗(ハヴァル)」ブランドのスポーツ多目的車(SUV)を生産している。
系列会社を通じて車載電池の現地生産にも乗り出した。元子会社で電池メーカーの蜂巣能源科技(エスボルト・エナジーテクノロジー)は、先月に東部チョンブリ県で電池パックの組立工場の稼動を開始。現地生産の長城車などにリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を供給する。