【亜州ビジネス編集部】
マレーシア中央銀行は24日、定例の金融政策決定会合の結果、翌日物政策金利(OPR)を3.00%に維持する決定を下したと発表した。据え置きは2023年7月から4会合連続。物価上昇を予防する目的で23年5月に3会合ぶりに利上げしたが、その後はインフレ圧力が弱まっていることから金利を維持している。一方、24年の経済成長は加速するとの見方を示した。
中銀は国内経済について、23年第4四半期に予想通りの回復を確認したと説明した。同期の国内総生産(GDP)成長率は3.4%(一次速報)と前四半期から0.1ポイント加速している。安定した労働市場を背景にした個人消費の拡大や輸出回復、官民による投資実行が成長を後押ししており、中銀は、24年にはさらに成長が加速するとみている。ただし地政学的緊張の激化や予想外の世界的な物価高など景気下押しリスクは拭えないとしている。
国内のインフレについては、23年は年平均で2.5%となり、コア指数も3.0%となって共に目標レンジに収まったと説明。24年も安定が見込まれるが、政府が価格安定策や補助金政策を変更する影響を注視する必要があるとしている。
中銀は22年5月、OPRを1.75%から2.00%に引き上げ、4年4カ月ぶりの利上げを敢行。それまで10会合連続で過去最低の金利水準を維持していたが、新型コロナウイルス禍からの経済回復が如実に見られ、インフレ圧力が高まる中で金融正常化にかじを切った。以降は4会合連続の利上げで1.00ポイント引き上げ2.75%とし、23年5月の会合でさらに3.00%まで引き上げた。