【亜州ビジネス編集部】
工業省工業経済事務局(OIE)の1月31日発表によると、2023年12月の鉱工業生産指数(MPI、16年=100)は87.8となり、前年同月比で6.3%低下した。前年同月を下回るのは15カ月連続。主要品目の多くで前年割れが続き、国内新車販売が低迷する中で自動車(20.6%低下)は新型コロナウイルス流行時の20年8月以来の下落幅となった。全体の指数は、季節調整済み前月比では5.7%低下した。
主要10品目のうち前月と同じ7品目が前年同月比でマイナス。自動車は国内販売が不振の1トンピックアップトラック(26.7%低下)の落ち込みが加速したほか、乗用車(10.7%低下)が2カ月連続のマイナスとなった。
電子(15.0%低下)は24カ月連続の前年割れ。主力のハードディスク駆動装置(HDD、20.5%低下)が2カ月ぶりのマイナスに転落し、プリント基板アセンブリー(PCBA、12.7%低下)と集積回路(IC、14.2%低下)は2桁のマイナスが続いている。ほか、ベースメタル(6.22%低下)は4カ月連続のマイナスで、前月に続き鋼板と条鋼、鋼管がそろって落ち込んだ。
一方、電機(6.3%上昇)は2カ月連続のプラスを確保。電線(69.4%上昇)の伸びが加速したほか、冷蔵庫(21.4%上昇)と洗濯機(10.9%上昇)も2桁の上昇だった。化学(5.3%上昇)は肥料(87.9%上昇)のけん引で5カ月連続のプラスとなった。
OIEが同時に発表した12月の製造業設備稼働率は55.2%で、前年同月比4.3ポイント低下、前月比2.9ポイント低下だった。うち自動車の稼働率は57.4%となり、前年同月比で17.6ポイント低下、前月比では16.9ポイント低下。大型連休のある4月を除くと21年8月以来、2年4カ月ぶりの低水準となった。