【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2023年の域内6カ国の自動車生産台数は、前年比1.9%減の430万1240台だった。前年割れは3年ぶり。最大生産国のタイや2番目のインドネシアなどで国内販売が低迷し、全体を押し下げた。タイの販売台数は21年ぶりにマレーシアを下回り、域内3位に転落した。一方、マレーシアとフィリピンは共に生産販売が2桁増と好調で、販売台数は両国とも過去最多を更新した。
タイは生産台数が2.2%減、販売台数が8.7%減。自動車ローンの与信厳格化で1トンピックアップトラックの国内販売が3割減少し、乗用車なども合わせた国内向け生産が2割減と大きく落ち込んだ。輸入の電気自動車(EV)の増加も国内生産に影響しており、国内市場でEV比率は9.5%に達した。一方、輸出向け生産は1割増と堅調。完成車の輸出台数は18年以来の高水準となる111万7539台を記録した。
インドネシアも生産販売がそろって減少。国内新車販売は金利の上昇などを背景に3年ぶりに落ち込んだ。ベトナムも景気減速で生産販売の落ち込みが続く。販売台数は25.4%減少し、フィリピンを4年ぶりに下回った。
フィリピンの販売台数は21.9%増の42万9807台。国内消費が拡大する中、年間を通じて好調に推移した。フィリピン自動車工業会(CAMPI)は、今後も販売増が続くと見込んでおり、24年の販売台数は50万台と予測している。マレーシアは減免税措置の効果で年初に大幅増となった後も勢いが衰えず、23年は生産販売とも1割増加。販売台数は2年連続で過去最多を更新した。