【亜州ビジネス編集部】
商務省が5日発表した2024年1月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比でマイナス1.1%だった。前年同月を下回るのは4カ月連続で、前月(マイナス0.8%)から落ち込みが加速。21年2月以来、2年11カ月ぶりの下げ幅となった。前月と同様に、政府の価格抑制策で電気料金や軽油価格が抑えられたほか、生産が増えた豚肉や野菜が値下がりした。
1月は品目別で、電力を含む住居(マイナス0.7%)が引き続きマイナスだったほか、車両用燃料の落ち込みで運輸・通信(マイナス2.5%)の下げ幅が拡大した。食品・非アルコール飲料(マイナス1.1%)は2カ月連続のマイナスとなり、うち生鮮食品(マイナス3.1%)などが前年を割り込んだ。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数(プラス0.5%)は、前月から0.1ポイント低下した。
同省はCPIが2月もマイナス圏で推移すると予測。政府の価格抑制策の効果や、エルニーニョ被害の減少を背景とする農作物の生産増を理由に挙げた。一方、中東情勢の悪化や通貨バーツの下落、需要増に伴う農産物価格の上昇などが指数を押し上げる要因になり得るとの見方を示した。24年の年間のCPI上昇率予測はマイナス0.3~プラス1.7%とし、前月から据え置いた。