【亜州ビジネス編集部】
5年に1度の大統領選挙が14日行われ、非公式な集計速報では現職のジョコ大統領の路線を継承するプラボウォ国防相が過半を獲得し、決選投票を行わずに勝利する見通しとなった。同氏はこれを受けて勝利宣言した。ロイター通信などが15日付で伝えた。
複数の独立したシンクタンクによると、開票率85%の時点でプラボウォ氏が60%近い票を獲得。アニエス元ジャカルタ知事(得票率22%)、ガンジャル元中部ジャワ州知事を大きく離した。大統領選は第1回投票でどの候補者も過半数を獲得できない場合、上位2名の決選投票となるが、今回は1回目の投票で決着する見通しとなった。
プラボウォ氏は2014年と19年に大統領選に出馬。特殊部隊の元指揮官として国家主義的なアプローチを前面に出したが、清新さや国民との協調性、ジャカルタ知事時代の実績をアピールするジョコ氏に2度とも敗れた。ジョコ氏は第2次政権でプラボウォ氏を国防相に招き、今回の選挙では同氏を支持。プラボウォ氏はジョコ氏の長男であるギブラン氏を副大統領候補に指名し、ジョコ氏の経済・インフラ開発政策を踏襲する姿勢で選挙戦を戦った。
プラボウォ氏は勝利宣言で、「支持には感謝しているが、放漫にならず、謙虚でなければならない」とした上で、「全てのインドネシア人を養い、守るために国を率いる」と国民に寄り添う姿勢を強調した。