【亜州ビジネス編集部】
タイ工業連盟(FTI)の22日発表によると、2024年1月の国内自動車生産台数は前年同月比12.5%減の14万2102台だった。前年同月を下回るのは6カ月連続。自動車ローンの与信厳格化などで国内販売が引き続き落ち込んでおり、ピックアップトラックの国内販売向け生産が半減した。一方、電気自動車(EV)の本格生産が始まり、1月の生産台数は652台に拡大した。
国内向け生産は全体で33.6%減少。1月の国内新車販売は約16%減で、特にピックアップが4割減と落ち込みが大きかった。与信厳格化に加え、政府の新年度予算の成立が遅れて投資が停滞したことも影響。また、手頃な価格のスポーツ多目的車(SUV)が増え、ピックアップに含まれる乗用ピックアップトラック(PPV)のシェアを奪っているという。
一方、乗用車ではEVの生産台数が652台と、23年の年間生産台数(164台)を1カ月で大きく上回った。中国・長城汽車が1月に小型車「好猫(グッドキャット)」の本格生産に乗り出したほか、ホンダも23年12月にSUV「e:N1」の生産を開始している。
1月の全体の輸出向け生産台数は3.9%増えた。ただ完成車の輸出台数は0.8%減の8万6716台と、小幅に縮小。船腹不足でアジア向けなどが停滞した。輸出のうちエンジン車は8万1763台で、残り4953台はハイブリッド車(HV)だった。
同連盟は24年の年間生産台数を3.2%増の190万台と予測。複数の中国メーカーが年内のEV生産開始を予定しており、国内向け生産が9.4%増の75万台に回復すると見込む。一方、輸出向けは0.5%減の115万台とみている。
1月のバイク生産6%減
同連盟によると、1月の国内バイク生産台数は前年同月比5.6%減の22万4589台だった。内訳は、完成車(CBU)が8.3%減の17万7822台、輸出向けの完全組み立て部品(CKD)が6.5%増の4万6767台。輸出台数(CBUとCKDの合計)は8.2%減の8万2853台だった。