【亜州ビジネス編集部】
工業省工業経済事務局(OIE)の2月29日発表によると、2024年1月の鉱工業生産指数(MPI、21年=100)は99.1となり、前年同月比で2.9%低下した。前年同月を下回るのは16カ月連続。主要品目の多くで前年を割リ込み、国内新車販売が低迷する中で自動車(9.6%低下)は6カ月連続の落ち込みとなった。全体の指数は、季節調整済み前月比では0.2%低下した。
主要10品目のうち5品目が前年同月比でマイナスだった。自動車では国内販売が不振の1トンピックアップトラック(18.7%低下)が引き続き2桁の低下。ディーゼルエンジンも落ち込みが続いている。一方、乗用車(4.8%上昇)は2カ月ぶりのプラスで、ハイブリッド車(HV)の生産が大きく拡大した。
電子(16.6%低下)は少なくとも22年1月以降、25カ月連続の前年割れ。主力のハードディスク駆動装置(HDD、15.4%低下)や集積回路(IC、22.6%低下)、プリント基板アセンブリー(PCBA、9.0%低下)など幅広い品目がマイナス圏で推移している。ほか、ベースメタル(1.3%低下)は4カ月連続の落ち込みで、熱延鋼など鋼板や条鋼が上昇したものの、鋼管が前年同月を下回った。
OIEが同時に発表した1月の製造業設備稼働率は56.6%となり、前年同月比4.0ポイント低下、前月比0.3ポイント低下だった。うち自動車の稼働率は62.2%で、前年同月比で15.3ポイント低下したものの、前月比では7.3ポイント上昇した。