【亜州ビジネス編集部】
カシコン銀行傘下の総合研究所カシコン・リサーチ・センター(KRC)は、2024年の国内総生産(GDP)成長率予測を前年比2.8%と発表し、前月の予測(2.6%)から上方修正した。観光業や輸出の回復などが成長を後押しすると見込む。一方、家計債務の高止まりによる自動車販売の低迷などが成長を阻害する要因になるとみている。
輸出額とインフレ率の予測は据え置いた。輸出額の伸び率は2.0%、インフレ率は0.8%とみている。政策金利は現行の2.50%で上昇サイクルが終了し、タイ中央銀行が年内に約2回の利下げを実施するとの見方を示した。
外国人観光客数は3600万人と予測し、前月の予測(3060万人)から引き上げた。ただ、新型コロナウイルス流行前の19年の4000万人を依然として下回る。
KRCは一方、経済成長を促すには、政府が目指す電気自動車(EV)生産やデータセンター(DC)の拠点化など、海外からの投資誘致が重要になると指摘。そのためにも、需要を満たすクリーンエネルギーを適正料金で供給することが必要と提言した。