【亜州ビジネス編集部】
ボー・バン・トゥオン国家主席が20日、辞任した。国家と共産党に悪影響を及ぼす違反を行ったとされ、党中央委員会が同日、辞任を承認。わずか1年余りで2人が任期終了を待たずに同職を辞した格好で、後任は決まっていない。政府公式サイトが20日付で伝えた。
トゥオン氏は昨年3月に国家主席に就任したばかり。同年1月に汚職事件の監督責任を問われて辞任したグエン・スアン・フック氏(首相や国家主席を歴任)の後任として、汚職取り締まりを強化する姿勢を見せていた。辞任につながった違反の内容は明かされていない。政府は今月21日、後任が決まるまでの期間はボー・ティー・アイン・スアン国家副主席が代行を務めると発表した。同氏は、昨年にフック氏が辞任した際も約2カ月にわたり代行を務めた。
ベトナムでは共産党書記長、国家主席、首相、国会議長を主要ポストとする集団指導体制が敷かれ、国家主席は序列2位。トゥオン氏の後任は未定だが、ロイター通信によれば、スアン国家副主席やトー・ラム公安相、共産党書記局のチュオン・ティ・マイ常務が有力候補とみられている。