【亜州ビジネス編集部】
シンガポール統計局が25日発表した2024年2月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で3.4%だった。前月(2.9%)を上回り、2カ月ぶりに加速。消費が伸びる旧正月時期のズレの影響で食品(3.8%)やサービス(4.2%)の伸びが高く、全体を押し上げた。民間道路輸送(1.4%)と住居(3.9%)を除くコア指数の上昇率は3.6%と、前月から0.5ポイント加速した。
食品は調理済み、非調理済みとも加速し、特に牛肉や魚介類、果物で前月の伸びを大きく上回った。サービスでは休暇費用の伸びが加速。また、前月までマイナス圏で推移していた航空券が8カ月ぶりのプラスに転じた。一方、民間道路輸送は前月(2.9%)から鈍化しており、うち自動車(1.1%)は車両購入権(COE)の価格が下がったことで20年8月以来、3年6カ月ぶりの低水準となった。
MASと貿易産業省は今後について、食品や旅行関連サービスの値下がり、通貨高などで輸入インフレが緩和すると指摘。国内の労賃上昇ペースも鈍化が続くとの見方を示した。コア指数は今後減速する見通しで、車両購入権の供給増を見込めることから、民間道路輸送も上昇が緩和するとみている。
24年の年間上昇率の予測は、CPI、コア指数とも前年比2.5~3.5%とし、前月から据え置いた。消費税(GST)増税の影響を除くと1.5~2.5%を見込む。23年はCPIが4.8%、コア指数が4.2%だった。