【中国】全固体電池の技術確立、2026年量産へ=中科院青島能源研究所

【亜州ビジネス編集部】

中国科学院青島生物能源・過程研究所(中科院青島能源研究所)は10日、固体電池技術の分野で新たなブレークスルーを達成したと発表した。硫化物系全固体電池の積層プロセスでこれまでの問題を乗り越えたという。大型車載用の硫化物全固体電池に関し、製造工程で残された最後の障害を克服。硫化物系電池のソフトパックについても、積層技術を開発したと説明している。毎日経済新聞が11日付で伝えた。

今回試作したソフトパック積層電池は、300回の充放電後も容量がほとんど低下せず、引き続き性能テストを進めている。中科院青島能源研究所は現在、キログラム規模の硫化物電解質の量産試験ラインを1本建設し、安定した製造を達成した。また、全固体電池の小規模な試作ラインを構築した。今回開発した高電圧、かつ長寿命のソフトパック全固体リチウムイオン電池は、通常温度で0.5Cの速度で充放電を1000回繰り返しても、92%の蓄電容量を維持した。

研究チームは現在、20Ah硫化物系全固体電池の生産ラインの立ち上げ準備作業に入った。川上と川下の業界と連携し、2026年の量産実現を目指しているという。

リチウム電池の技術体系は、電解質の種類によって、液体電解質リチウム電池、固液混合電解質リチウム電池、全固体電解質リチウム電池の3つに分類される。全固体電解質電池には液体電解質が含まれていない(固体電解質のみを含む)。その固体電解質は酸化物、硫化物、ポリマーなどの3種類に分類される。

中国の電池業界では、過去約2年間にわたって固体電池の開発を加速している。電動車の発火や低温での電力喪失という主要な2つの課題が解決できるためだ。しかしながら量産や車載の難易度は高く、これまで大規模な搭載は実現していない。


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