【亜州ビジネス編集部】
投資委員会(BOI)は22日、中国自動車メーカーの奇瑞汽車(チェリー)による電気自動車(EV)などの生産事業を認可したと発表。奇瑞はラヨーン県に工場を建設し、来年に年産能力5万台規模で組立生産を開始する計画。タイ国内に供給するほか、東南アジアなどへの輸出拠点とする。
現地法人のオモダ&ジェイクー(タイランド)を通じて事業を手掛ける。2期に分けて工場を建設し、年産能力は2028年に8万台まで引き上げる計画だ。EVのほかハイブリッド車(HV)も生産するとされる。オセアニアや中東への輸出も検討する。
奇瑞はタイ市場から一時撤退していたが、今年6月までにEVを発売して再参入する。同現地法人は先月20日、今後販売するEVとプラグインハイブリッド車(PHV)の4モデルを発表した。うちEVのスポーツ多目的車(SUV)「オモダE5(オモダC5EV)」は6月までに発売する予定で、今年は4モデル合計で6000台を販売する目標。先月5日にはディーラー23社を指名しており、今年末までに全国で39カ所のショールームを開設する。
奇瑞は東南アジア各国で再進出を進めており、インドネシアで22年に、マレーシアでは昨年半ばに、それぞれ現地企業への委託生産による販売を開始した。オモダE5はインドネシアで昨年末に生産を開始。同国で先月に、マレーシアでは今月初めに発売した。
BOIによる中国自動車ブランドの認可は奇瑞が8社目。これまでに◆比亜迪(BYD)◆上海汽車の「MG」◆長城汽車◆長安汽車◆広汽埃安新能源汽車(AION)◆合衆新能源汽車の「ナタ汽車(NETA)」◆北汽福田汽車(フォトン)――が認可された。