【タイ】3月の工業生産5%減、自動車が2割の落ち込み

【亜州ビジネス編集部】

工業省工業経済事務局(OIE)の4月30日発表によると、2024年3月の鉱工業生産指数(MPI、21年=100)は104.1となり、前年同月比で5.1%低下した。前年同月を下回るのは18カ月連続している。国内新車販売が低迷する中で自動車(22.6%低下)が8カ月連続の前年割れとなり、前月(16.8%低下)から下落幅が拡大。全体の指数は季節調整済み前月比では2.8%低下した。

主要10品目のうち7品目が前年同月比でマイナスだった。自動車では国内販売が不振の1トンピックアップトラック(27.0%低下)で2割超のマイナスが続き、乗用車(16.5%低下)も落ち込んだ。乗用車ではプラグインハイブリッド車(PHV、66.7%低下)の大幅な下落が続く。

電子(16.5%低下)は少なくとも22年1月以降、27カ月連続の前年割れとなった。主力のハードディスク駆動装置(HDD、21.4%低下)や集積回路(IC、24.6%低下)で下げ幅が拡大している。一方、プリント基板アセンブリー(PCBA、0.1%上昇)は小幅ながら9カ月ぶりのプラスに転じた。

電機(3.8%低下)は3カ月ぶりのマイナスに転落。電子レンジなど家電の落ち込みが加速した。ベースメタル(8.8%低下)は6カ月連続の前年割れで、熱延鋼など鋼板と、条鋼、鋼管が前月に続きそろってマイナスだった。

OIEが同時に発表した3月の製造業設備稼働率は58.4%となり、前年同月比で4.3ポイント低下。3月は連休前で例年稼働率が高くなる傾向にあり、前月比では2.6ポイント上昇した。うち自動車の稼働率は59.0%で、前年同月比で21.9ポイント低下、前月比で1.9%上昇だった。


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