【タイ】4月の輸出7%増、自動車・電子が2桁のプラス

【亜州ビジネス編集部】

商務省の23日発表によると、2024年4月の輸出額は前年同月比6.8%増の232億7860万米ドルだった。前年同月を上回るのは2カ月ぶりで、前月に落ち込んでいた主力の自動車と電子製品が2桁増を回復した。仕向地別では欧米向けが20%超の増加だった。輸入額は8.3%増の249億2030万米ドル。貿易収支は16億4170万米ドルの赤字で、貿易赤字は4カ月連続となる。

輸出額は、8割弱を占める主要工業製品が9.2%増、2割超の農産物・加工品が2.0%増。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は11.4%増だった。

工業製品の輸出では、車両・部品(13.5%増)が4カ月ぶりに前年同月を上回り、乗用車(9.7%増)と商用車(43.6%増)がそろって拡大した。ただ、タイ工業連盟(FTI)の集計によると、4月の完成車輸出台数は1割ほど減少している。電子製品(25.6%増)は主力のハードディスク駆動装置(HDD、85.2%増)が急伸。このほか建材に含まれる鉄・鉄鋼製品(23.3%増)も好調だった。

農産物・加工品では、コメ(91.5%増)がインドネシア向けなどの拡大で大きく伸びた。一方、生鮮・冷凍などの果物(29.8%減)は、中国市場向けでベトナムとの競争が激化する中、落ち込みが続いている。

国・地域別の輸出額は、最大の米国(26.1%増)がコンピューター・部品などの伸びで引き続きプラス。欧州連合(EU、20.2%増)もコンピューター・部品のけん引で大きく伸びた。一方、国別で2番目に大きい中国(7.8%減)は、果物やゴム製品の落ち込みを受けてマイナス。日本(4.1%減)も前年割れが続いており、4月は自動車・部品や化学品、機械・部品が低調だった。

輸入額は原材料・半製品(19.8%増)などがプラス。一方、車両・輸送機器(15.1%減)では前年同月に大幅増だった乗用車が前月に続き半減した。

1~4月の累計は、輸出額が前年同期比1.4%増の942億7390万米ドル、輸入額が4.9%増の1003億9070万米ドル、貿易収支が61億1690万米ドルの赤字だった。


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