【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2024年4月の域内6カ国の自動車生産台数は、前年同月比1.1%増の25万8162台だった。前年同月を上回るのは9カ月ぶり。最大生産国のタイと2番目のインドネシアで引き続き落ち込んだものの、販売好調が続くマレーシアとフィリピンで大きく伸びている。販売台数は大型連休があったインドネシアとタイで低水準となり、マレーシアが域内首位に。
全体の生産台数は過去1年で最少。域内7カ国の販売台数は21万9574台(1.2%減)となり、21年8月以来の少なさだった。
タイの生産台数は11.0%減と、9カ月連続の前年割れ。23年11月以降は2桁のマイナスで推移している。台数は21年8月以来の少なさで、国内販売が不振の1トンピックアップトラックを中心に落ち込んだ。自動車ローンの与信厳格化などが響いている。輸入が中心の電気自動車(EV)の販売も補助金削減で失速し、国内市場は2月以降に20%台の落ち込みが続いている。
インドネシアは生産が3.0%減、販売が17.5%減で、それぞれ9カ月連続、10カ月連続のマイナス。高金利が逆風となっており、大型連休の影響もあって販売台数は3年7カ月ぶりの低水準だった。
一方、他の4カ国の生産台数は前年同月を上回った。ベトナムは生産が1.8%増、販売が8.7%増と、そろって3カ月ぶりのプラス。マレーシアは販売が21.3%増えて5万7991台となり、インドネシア、タイを上回る域内首位だった。フィリピンも20%台のプラスで、前年同月を上回るのは26カ月連続となる。
1~4月の域内6カ国の生産台数は前年同期比12.7%減の124万3809台、域内7カ国の販売台数は10.4%減の97万9479台だった。