【マレーシア】EVの道路税を26年に徴収開始へ、低額で普及後押し

【亜州ビジネス編集部】

政府は4日、2026年1月から適用する電気自動車(EV)の道路税制を発表した。EVについては22年から道路税を免除してきたが、優遇措置が25年末で終了することから、新たな税制を適用する。免除はしないものの、同じサイズのエンジン車より税額を低く設定。EVに本来課していた道路税を平均85%下回る水準に抑えており、引き続きEVの普及を促す。ザ・スターなどが5日付で伝えた。

税額はEVの電動モーターの出力によって決まり、出力が高いほど税額が段階的に上昇する仕組み。最低額は出力50キロワット(kW)未満の年20リンギ(約663円)、最高額は1010kW超の2万リンギとなる。

販売されているEVに当てはめると、中国・比亜迪(BYD)の小型ハッチバック「ドルフィン(海豚)・プレミアム・スタンダード・レンジ」(出力130kW)は年120リンギ。優遇措置で現在は免除されているものの、現行の税額表では624リンギとなっており、8割低い水準となる。米テスラのDセグメント・スポーツ多目的車(SUV)「モデルY」(220kW)は280リンギで、現行表の2583リンギから89%割り引く。最高額は独ポルシェのセダン「タイカン・ターボGT」(760kW)の6715リンギで、現行表の1万7494リンギを62%下回る。

アンソニー・ローク運輸相は、EVへの買い替えを戸惑うエンジン車のオーナーは多いと指摘。税額を抑えることで税収が40億リンギ減ると試算されるが、EV普及によるメリットはより大きいとしている。

同相によると、23年に登録された車両153万3332台のうちEVは1万5671で全体の1%に満たなかった。24年1~4月は49万9945台のうちEVは7003台で、割合が1.4%に上昇した。


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