【亜州ビジネス編集部】
米国際貿易委員会(ITC)は7日、タイやベトナムなど東南アジア4カ国の太陽光パネルが不当に安い価格で輸入され、米国内の産業に損害を与えている兆候があると発表した。これを受け、米商務省が調査を引き継ぎ、今年7~10月にかけて制裁内容を決定する。
両国とマレーシア、カンボジアの太陽光パネルが対象で、各国政府の補助金によって米国に不当に安く輸入されている合理的な兆候があるとITCの委員4人全員が判断した。今後は米商務省が調査を行い、7月18日までに相殺関税、10月1日までに反ダンピング(AD)税に関する初期判定を行う。
米政府は4カ国の太陽光発電関連製品について、2022年5月から2年間、関税を免除。バイデン政権がグリーンエネルギーへの転換を加速するために行った措置で、これは予定通り今月6日に終了した。一方、これまでの報道によると、米国内のメーカーは安価な輸入品で損害を受けたとして、4カ国のパネルに271%の追加関税を課すよう訴えている。
米国の23年の太陽光パネル輸入に占めるタイなど4カ国製の割合は70%を超えた。東南アジアには、米国の制裁を回避したい中国メーカーの投資が14年ごろから拡大しており、過去2年間の免税措置も追い風となって米国への輸出が増えていた。