【亜州ビジネス編集部】
タイ商工会議所大学(UTCC)の13日発表によると、2024年5月の消費者信頼感指数(100以上が好感)は60.5となり、前月の62.1を下回った。指数の低下は3カ月連続。内閣改造人事に問題があるとしてセター首相の解任を求めた上院議員グループの訴えを憲法裁判所が受理し、政情不安への懸念が高まったことなどがマイナスに影響した。
同大学は指数低下の要因として他にも、次のことなどを挙げた。
◆国家経済社会開発委員会(NESDC)が24年第1四半期の実質国内総生産(GDP)成長率を前年同期比1.5%と発表し、前四半期の1.7%を下回ったこと
◆経済回復が遅れる中、上昇する生活費に現在の収入が見合っていないと消費者の多くが感じていること
◆軽油の小売価格が上昇していること
一方、プラス要因には、下記などを挙げた。
◆政府が5~11月の地方旅行を対象に、所得控除による観光促進策を導入したこと
◆入国制限の緩和に伴い外国人観光客が増えていること
◆農産物価格が良好に推移し、農家の所得と購買力が向上していること
今回の調査対象は全国の消費者2245人。指数は「良い、良くなった」と回答した人の割合から「悪い、悪くなった」と回答した人の割合を差し引き、100を足した値。