【タイ】日系企業の景況感、下期見通しは改善

【亜州ビジネス編集部】

盤谷日本人商工会議所(JCC)が発表した「日系企業景気動向調査」によると、24年下期の業況感指数(DI)の見通しはプラス9だった。24年上期見通しのマイナス11から好転する。観光客の増加や政府の景気対策、輸出回復などへの期待が指数を押し上げた。

調査はJCC会員企業を対象として半年ごとに実施。景況や財務状況などについて質問するもので、1971年から続いている。今回は24年5月7日~6月4日に実施し、557社から回答を得た(回答率は33.9%)。DIは前期に比べ業況が「上向いた・上向く」と回答した企業の割合から「悪化した・悪化する」と回答した企業の割合を差し引いた値。

DIの23年下期実績はマイナス17だった。24年上期見通しは耐久消費財の不振、低調な輸出などから引き続きマイナスとなった。

24年下期見通しでは、製造業8業種のうち「食料品」(プラス37)や「電気・電子機械」(プラス35)で好調を予想。一方、「輸送用機械」(マイナス16)や「鉄鋼・非鉄」(マイナス2)など4業種はマイナスとなった。

非製造業は全6業種がプラスで、「小売り」(プラス27)、「建設・土木」(プラス23)の見通しが明るい。

設備投資に関する質問では、24年度に「投資増」を見込む企業が23%、「投資減」が18%、「横ばい」が45%だった。

今後の有望輸出市場(複数回答)は「ベトナム」が46%で首位となり、これに「インド」(43%)、「インドネシア」(31%)、「日本」(16%)が続いた。

経営上の問題点(複数回答)は「他社との競争激化」が65%で最も多く、これに「総人件費の上昇」(43%)、「原材料価格の上昇」(42%)、「為替変動の対応」(29%)が続いた。


亜州ビジネスASEAN
https://ashu-aseanstatistics.com/

この記事をSNSでシェア!


一番上へ戻る