【亜州ビジネス編集部】
タイ国トヨタ自動車(TMT)の6月27日発表によると、2024年5月の国内新車販売台数は前年同月比23.4%減の4万9871台だった。前年同月を下回るのは12カ月連続。自動車ローンの与信厳格化などで1トンピックアップトラックが引き続き大幅減だったほか、年初まで好調だった電気自動車(EV)も補助金減額で失速している。5万台を割り込むのは前月に続き2カ月連続。大型連休があった前月を除くと、新型コロナウイルスの影響で低迷した21年8月以来の少なさとなった。
車種別の販売では、1トンピックが35.4%減の1万7651台と、17カ月連続の前年割れ。台数は前月を下回り、新型コロナの影響で工場がストップした20年4月以来の低水準だった。乗用車は28.1%減で、4カ月連続のマイナス。一方、商用車に含まれるスポーツ多目的車(SUV)は30.7%増の1万993台と、プラスで推移している。トヨタやホンダが販売を伸ばした。
EVも補助金減額で失速
EVの販売台数は28.8%減の5573台となり、新車販売に占める割合は11.2%。1月に補助金減額前の駆け込み需要で販売を大きく伸ばしたが、その後は失速している。一方、ハイブリッド車(HV)は92.1%増の1万986台と引き続き好調だった。
メーカー別の販売では、EVを中心とする中国系9社のシェアが11.2%と、前月から1.1ポイント上昇。ただ、EV最大手の比亜迪(BYD)を含む各社が販売を減らした。日系9社も全て落ち込み、シェアは前月を下回る78.6%に低下した。現地工場の閉鎖を6月に発表したスズキは46.0%減だった。
1~5月の全体の販売台数は前年同期比23.8%減の26万365台。TMTは6月の販売について、5月からは改善傾向にあるものの、自動車ローンの拒否率が依然として高く、引き続き前年同月を下回るとの見方を示した。同社は2月時点で24年の新車市場予測を前年比3.1%増の80万台としていたが、達成には残の6~12月に約54万台(前年同期比で約24%増)を販売する必要がある。