【亜州ビジネス編集部】
財務省物品税局のエクニティ局長は、2024年の国内電気自動車(EV)生産台数が8万~9万台に達するとの予測を明らかにした。22~23年に補助金交付と減税を柱とする政府のEV振興策の第1期「EV3.0」の適用を受けたメーカーが本格生産を開始することで大きく増える見通し。8日付プラチャーチャート・トゥラキットなどが伝えた。
EV振興策の適用には、輸入台数に応じた国内生産が義務付けられている。EV3.0には23社が参加し、10万台を輸入。同局はこれまで4万台に総額70億バーツの補助金を支給した。さらに3万5000台に70億バーツを支給するため、政府に予算を要求している。EV3.0では補助金を最大で1台15万バーツ支給するほか、物品税・輸入関税を引き下げる。
一方、24年に始まった振興策の第2期「EV3.5」では、1台当たりの補助金が最大10万バーツに減額された。輸入車にも適用されるが、26年以降に輸入台数に応じた台数の現地生産が義務付けられる。これまでの報道によると、同局は国内EV生産台数が27年までに約35万~52万5000台に拡大すると見込む。
EV振興策の導入により、国内EV市場への中国ブランドの進出が加速。以前からの参入組も含め、今年1月に長城汽車の「欧拉(オーラ)」、3月に合衆新能源汽車の「ナタ汽車(NETA)」と上海汽車集団の「MG」がEVの本格的な現地生産を開始した。また、7月4日には中国EV最大手の比亜迪(BYD)が年産能力15万台の工場を開所しており、17日には広汽埃安新能源汽車(AION)が工場の開所式を行う。さらに長安汽車と奇瑞汽車(チェリー)も工場建設計画を進めており、共に来年の稼働開始を予定している。