【亜州ビジネス編集部】
東南アジアでフィンテック新興企業の資金調達額が2021年下半期をピークに減少している。スタートアップ関連のデータ分析を手掛けるインドのトラクソンが報告したもので、24年上半期には前年同期比25%減の8億9900万米ドルとなり、上期としては過去3年で最低だった。ストレーツタイムズが伝えた。
トラクソンは、金利上昇や世界各地での紛争の長期化、投資家のフィンテック新興企業に対する先行き懸念などが調達額の減少につながっていると説明。特に企業設立前後のシードステージの資金調達額が低調で、24年上半期には53%減の4250万米ドルと大きく落ち込んだ。
上半期の調達額を分野別にみると、電子決済が51%減の4010万米ドルと半減。一方、AI(人工知能)の活用で技術革新が進む投資工学分野は7.7倍の2億1600万米ドルと急伸した。
上半期のフィンテック調達額を国別にみると、シンガポールが5億1800万米ドルで、域内全体の58%を占めた。これにタイが1億4000万米ドル、インドネシアが1億2800万米ドルで続いた。