【シンガポール】千代田加工、小型装置利用の水素供給で実証

【亜州ビジネス編集部】

千代田加工建設は12日、南部のコンテナ港で大型燃料電池車に水素を供給する実証事業を開始したと発表した。千代田化工が提供する小型脱水素装置を設置し、国外から輸送した常温の水素化合物から水素を抽出。取り扱いやすく既存の石油・石油化学製品インフラを活用できる方法として商業化を目指す。

現地の南洋理工大学(NTU)と港湾運営会社のPSAとの3者共同で、来年第2四半期まで実証を行う。小型脱水素装置は日本で製造・組み立てしたものをコンテナ船で輸送し、パジル・パンジャン・ターミナルに据え付けた。千代田加工とNTUは脱水素触媒の改良に関する共同研究開発などに取り組み、PSAは実証場所の提供や運転・保守などを担当する。

水素化合物「メチルシキロヘキサン(MCH)」を国外から輸入して実証を行う。MCHは常温・常圧の液体で、化学的にも安定しているため取り扱いが容易という。既存インフラを活用できることもあり、既存の法規の範囲内で実証開始に必要な許認可を取得できたとしている。


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