【亜州ビジネス編集部】
中国共産党の第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が18日、4日間の日程を終えて閉幕した。会議では「改革の一段の深化と中国式現代化を推進に関する決定」を承認。米欧などと一線を画す独自の発展モデル「中国式現代化」をさらに推し進め、建国80年となる2029年までに改革の任務を完成させるという新たな目標を打ち出した。35年には、高水準の「社会主義市場経済体制」を全面的に完成させる方針としている。
会議後に発表されたコミュニケ(声明)では、「社会主義現代化国家」を建設するための改革として、国有企業とともに民間企業の発展を支援し、公正な市場競争を確保するほか、内需の拡大を推進していくと強調。また、「新質生産力」の発展を目指すとした。新質生産力とは、従来の経済成長モデルから脱却し、イノベーションが主導的役割を果たす先進的な生産力を指す。このほか、不動産、地方政府債務、中小金融機関など重点分野のリスクを防ぐ措置を実施する方針を確認。税制や金融の改革を進めていく考えも示した。
ただコミュニケでは、改革の具体的な内容は明らかにされていない。例えば税制を巡っては一部メディアがこれより先、ぜいたく品などに課す「消費税」改革が議論されると報じていた。また、香港英字紙のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は18日、「即効性のある政策は提示されなかった」と伝えている。なお、3中全会での決定内容の全文は数日後に公表される見込みだ。
一方、一部の海外メディアはコミュニケが29年までに改革の任務を完成させると表明した点に注目。専門家の見解として、習近平・総書記(国家主席)の4期目続投の意欲を示唆したものと報じている(習総書記の3期目任期は27年まで)。